文庫に一度入るとそのシリーズの中で守られることになる。
たとえ再販未定などとなっていたとしてもその記録は残されることになるし、文庫の出版履歴をもとに文献を探すこともできる。
また、個人の所有によって文庫となる本たちも、目録を作られ莫大だったり、次の世代に引き継がれるべきものは所有者が個人となった後も、大学だったり公的機関だったり、個人の雄姿だったりに守られていくことになる。
本を所有するか、借りるか。
本を自費で購入するか、借りるか。
最近で言うと、サブスクリプションサービスで一時所有をするか。
など、本好きとその読書スタイルはいつの時も興味深い。
本の始まりは物語を紡ぐことにある。
作者が物語を紡いで始まったものもあれば、作者に変わり誰かその物語を残そうとした人がいたから、本は生まれたのだ。
どうして、人と会うことではなく、本を読むことの方に惹かれがちになるのか考えることがあるのだが、それはやはり 紡がれた物語、語りのプロたちによる優れた話は一般人の日常よりも興味深い話であることに他ならない。
内装のダサいフランチャイズのカフェレストランにたむろする女子高生たちのはなしより、誰も冒険したことのない場所に行って帰ってきた人の本を読むことの方が興味深いのだ。
完成度の高いものが好きである。それは熟考を重ねてつくられたフィクション作品もしかり、だから読書はやめられない。