旅の先輩が言っていたことがある。
「新しいことに挑戦したり、始めたい時にはまずその1番を体験したらいい。
そこから、本当にハマりたいのかどうか、考えてみたらどうかな。」
自転車旅をどう始めようかと思う。という相談をしたことに関する回答だった。
結果的に私はミニマムにお手軽なところから、
沖縄7日間の日程で自分の自転車旅をスタートさせた。
「山が好きになるのかどうか挑戦したいなら、
最初っからネパールでエベレストを見に行けばいいじゃないか。」
彼はそんなことを付け加えて言ったのだった。
私は逆の考え方でそんな考え方もあるのだな~くらいに思っていた。
結果自転車旅にはそのあと一度台湾21日間に行ったのだけど、そこで満足して
私の自転車旅への個人的な結論は「自転車旅は島旅がちょうどいい」ということだった。
そして、踏み入れたスペイン巡礼 カミーノ・デ・サンティアゴ。
最初に35日900キロという、長~い道を選んだことで初回にして、
自転車旅以上にはまる感を感じている。
登山でも低山が好きだし、自転車も大陸を走りたいとは思わない、
どこか緩く「ワイルド追求型」ではない嗜好なので、
ちょうどよかったという相性もあったのだろうけど。
1年経っても、当時出会った友人とは繋がっていて、
UKに帰ったスペイン人はUKのトレイルのリンクを送ってくれて、
世界にはこんなトレイルもあるのか、と教えてくれる。
私も日本人でも多くは知りえないであろう日本ロングトレイル協会のリンクを送って、
超マイナーなロングトレイル旅の情報交換をしている。
1年前に旅を中断したオーストリア人の彼女は、同じく昨年の道中であった彼と
再会ポイントからゴール地点まで歩き、私の残したタイムカプセルを掘り当てたり、
メッセージを残したポイントをたどる「宝探し」の旅を楽しんだりしている。
ロングトレイルを歩く理由は、自然であったり、信仰であったり、
人それぞれの理由があるけれど、
おそらく自分にとってはそれが一番楽しいからということに尽きるのだと思う。
さあ、北根室ランチウェイまであと11日だ。