角幡唯介さんの空白の5マイルを読んでいる。
極夜行が旬な角幡さんだが、彼が書評を書いた「本で床はぬけるのか」の文章が綺麗だったので、本業の彼自身の本が読みたくて手に取った。
読書メモ:空白の5マイル
地図には空白の部分がある。
グーグルアースで瞬時に地球上のどこでも見れてしまう現代に生きる私たちからは信じられないことだが、1920~50年代くらいまではそれが当然だったのだ。
ゆえに、冒険家が冒険家としてなりたった時代があったのだということも言える。
現代のように、誰もがどの国のどんな場所にも足を踏み込むことができる時代にそんな時代があったことにはっとさせられる。
「少数の人しかしないこと、できないこと、ニッチなこと」というのは時を経て「多くの人がすること、できること、メジャーなこと」に変わってゆくのが世の常なのだろうか。
近代史や私たちの日常くらいの身近な場面においても、例をたくさんあげることができる。
・携帯電話を持つこと
・写真を撮ること
・パソコンを所有すること
・スマートフォンを所有すること
・頻繁に飛行機に乗って海外旅行に行くこと
・高校生が修学旅行で海外にいくこと
・留学すること
・本を出版すること、誰もが自分の物語を紡ぐこと
・多くの人に知られること
・世界一周旅行
・車を所有すること
・テレビを所有すること
・洗濯機や冷蔵庫を所有すること
・家を所有すること
・女性が毎日化粧をすること
発展することとそれがイコールになることはたくさんある。
ならば、今から見た未来にできるようになることもまたたくさんある。
・映像作品を作る人の増えること
・生まれた場所とは異なる場所、母国語を話さない地域で住む人の増えること
・月に旅行するのが、当たり前になる時代の来ること
・投資が貯蓄に変わり、基本のマネーマジメントになること
・ものではなく、ものとして存在しない価値が高まること
・所有が共有にとってかわること
これには疑問がまだ残るけれど。
冒険・旅に関する書籍を多く読んでいます。