札幌市内中心部から、空港バス〜飛行機と乗り継いで、月曜日の夜のフライトで仙台空港へ。そこからレンタカーを借りて、山形方面に行ってきました。
2019年は2ヶ月に一回は旅行をする!を目標に細切れの日常〜非日常の連続を楽しんでいます。
4月に行った、3泊4日の「銀山温泉に行く」旅の備忘録です。
※キラキラした旅女子の記録ではありませんので、干物っぷりが出ています。
1. 仕事から旅に直行する
定時に仕事を終わらせたら、そのまままっすぐ空港へ。
夜に移動をして、到着したらそのまま空港のレンタカーカウンターが閉まるギリギリの時間にチェックインをして、旅のスタートは宿泊からはじめてしまう。
家に、帰らずに旅に出てしまうことで、時間効率もいいし、家ではないところで初日には何もしなかったとしても、家と違うところで眠れば、旅を1日長くできるような気分になれる。
ポイントは職場のデスクの見える位置には旅行カバンを持ち込まないこと。3泊4日はさすがにバックパック一つでは、旅行できなかったので、こっそり秘密の場所に隠して、いつも以上に集中してその日を乗り切るのが、ミソだ。
2. 旅の宿泊先として、ラブホテルに泊まる
夜のドライブは、景色も見れないし、慣れない地方での運転はつかれるもの。空港から目的方面に走ってさくっと、沿道沿いのラブホテルで泊まるのはおすすめ。
事前予約もいらないし、家よりも大きなベッドにバスタブはあるし、地方だと5000円〜6000円くらいから一泊できるので、何より安い。
遅起きしたいときに基本午後まで滞在できるスタイルなので、10時くらいにチェックアウトの時間だからと慌てなくていい。
初日は空港について、レンタカーにチェックインしたら、目的方面に走るだけにしてコンビニで夕食を買ったらなるべく早い宿へのチェックインを目指す。
マッサージチェアに、広いジャグジー付きのお風呂には入浴剤だっておいてくれているし、有線だってあるし、一人カラオケだってできてしまう。
ラブホテルに泊まることは、庶民のプチ贅沢として結構な好位置にあると思うのだけれど、自分が住んでいる町ではなんとな〜くやりずらいので旅先だからできることの一つを満喫しよう。
3. 桜を追いかけて、日本の春を満喫する @霞城公園
桜は主目的ではなかったのだけれど、山形・宮城の一般民家には桜を植えている家が多いことにびっくりした。
どうせなら、目一杯の桜がみたくなって、「山形 桜」で検索する。
霞城公園はどうやら、最上なんちゃらというお殿様の城跡地のようで、桜の開花に合わせて門が解放されていた。
札幌の花より団子なバーベキュー花見よりも、お弁当を広げてピクニック的な品のいい本州の花見が素敵だった。
どことなく、お堀の上を歩く道は函館の五稜郭公園を彷彿とさせた。
4. 石造りの建物に立ち寄る @文翔館
石造りの建物が好きだ。あると、つい、立ち寄ってしまう。
今回の旅の主目的が、銀山温泉でもあり、「大正浪漫風」をまといたかったこともあるのだけれど、霞城公園に向かう途中、右手に見えてきた石造りの建物まで散歩してみることにした。
建物の中は無料で解放されていた。昔、県議会で使われていた建物だそうで、中は明治〜大正期のいかにもな洋館だった。
5. スタンプラリーを楽しむ
スペインの巡礼の道、サンティアゴ・デ・コンポステーラを歩いたあとにずっとやりたいと思っていたことがある。
スタンプ集めだ。
御朱印集めのいいけれど、いまいち寺と神社の朱印の意味がわからない。スペインでスタンプラリーに熱を出しておいてなんだが、信仰心もないのに、というか信仰心がないからこそ、お金を払ってスタンプを集める気になれないでいる。
ということで、この度にはスタンプ帳をついに持参していた。
文翔館で記念すべき一つ目のスタンプをゲット。
6. 立石寺にお参りする
山形といえば、立石寺。
松尾芭蕉も訪れたという立石寺は1000段ちょっとの階段の上にあるお寺だった。1000段というのが、どうにもこうにも誇張された情報で、実際に1000段登ることはちっとも辛くないのであった。
山形らしい田舎の風景をちょっと高い場所から眺められる。
ちなみに、立石寺周辺では「山形名物 板そば」という看板をよく見かけた。普通のざるそばとの違いを聞いてみたところ、1.5倍盛りなだけで、そばは同じものだというから普通のそばを食した。
この時点で2日目の昼食。実は前日の夕食から、そばに、蕎麦茶に、そば。蕎麦関係のものしか口にしていない。
沿道の飲食店も8割は、蕎麦屋だ。
7. 銀山温泉の夜風景を見て、大正浪漫に浸る
今回の旅の主目的は銀山温泉だった。それ以外の寄り道は何も調べずにその場でサクサクと決めていく。
「365日 日本一周絶景の旅」という写真集を買ってから、いつか行きたい場所にリストアップしていたのだった。
冬景色が有名な銀山温泉だけれど、4月中旬といえど蔵王のあたりは、まだ峠は冬季通行止めだし、温泉までもちらほら雪が山の合間に残されていた。
といっても、着いた時間はまだ暗くなかったので、温泉街の入り口にある唯一のカフェでゆっくりと日暮れを待つ。
お茶だけで長いするのも、気が引けて夕食時間なのにスイーツを頼んでしまう。ぜんざいを食べる気になれなくて、「今日のおすすめ」は何かと確認すると、
「そば粉のケーキ」
聞いた手前、退くに退けなくなってしまって、そのまま食す。
やはり、カフェにも無料の飲み放題のそば茶が置かれていた。
ぼやけたカメラで恐縮だが、待ちに待った日暮れの銀山温泉は綺麗だった。
8. 田舎の名所に寄り道をする
なんの変哲もない、田舎はただただ癒しだ。
畑がずーっと続いて、対して信号もなく、平屋が続く様はそれだけで癒される。
今回、山形の霞城公園でも、立石寺でも、銀山温泉までも外国人がいて、地方のこんな田舎にまで海外旅行者がきていることにびっくりした。
けれど、確かに日本の観光は田舎こそ面白いと思う。
前日私が選んださくらんぼ東根温泉のある東根市には、「日本一の大ケヤキ」なる木があった。
田舎道だから、走っているだけで名所が目につくのだ。
今は小学校の傍にあるそのケヤキはそこにお城があった時代にはお殿様に愛でられていたらしい。平日の学校のある日だというのに、田舎町は校庭に気兼ねなく入れる、というよりも旅行者が入るように進められていた。
校庭の端に土俵がある学校を初めて見た。
大樹に挨拶にいく。
軽トラックのおじさんが、声をかけてくれてみてみると、小学生がつくった大ケヤキのポストカードや説明のパンフレットが置かれていた。
確かに、生まれ育ったところにこんなに立派なものがあれば、それだけでいい教育になるな〜と思った。
ところで、そんな素敵な田舎、東根市のゆるキャラがラフランスで、りんごで、さくらんぼで・・・。情報過多を起こしている。
名産品がこれほどよくわかるキャラクターも素晴らしい。
9. 大人の社会科見学を楽しむ @ニッカウイスキー宮城峡蒸留所
余市にも蒸留所を持つニッカウイスキーは何故、本州にも蒸留所をつくったのか?
ガイドさんに聞くところによると、高緯度と低緯度で作られるウイスキーには味の違いがあるそうで(ハイランド、ローランドという分類になるそう)、ブレンドウイスキーを美味しくするにはそれらを掛け合わせることが欠かせないのだとか。
本場スコッチでは、蒸留所やスコッチのブランドの枠を超えて、ウイスキーをトレードしてブレンドできる制度が整っているのだけれど、残念ながら日本ではその垣根を超えていないということだった。
つまりは、余市に蒸留所を作ってから、次にいい環境を見つけて宮城峡に蒸留所ができるまで30年くらいかかっているのだけど、そのあとようやく竹鶴は本当のブレンドウイスキーを日本で作れるようになったということだったそうだ。
何気ない質問に、深い知識で答えてくれたガイドさんにもびっくりしたのだけれど、余市での印象と同じくニッカウイスキーはとても接客マナーのいい会社さんだった。
創業者の思いや、お客様に対する接し方でその会社の良さは伝わる。
予定せずにただ通りすがりでふらっと立ち寄った工場だったのだけれど、目的地にしてもいいような場所で大満足だった。
10. すっごい日本なところと日本じゃないみたいなところに同時に行く
すっごい日本なところも、日本じゃないみたいなところもどちらも「みちのく公園」だ。
みちのく公園は、キャンプ場や道の駅みたいなところもあるけれど、今回私が立ち寄ったのは南地区。
というのも、大方の目的を前日に達成していたので、今日は消化試合ののんびりとした休日を過ごそうと思っていた。
公園は好きだし、そして映画ロケ地も好き。とくれば、道中にあるみちのく公園はハズレなしな目的地になったのだ。
ここで撮影された映画は、「殿利息でござる」。
ちなみに、撮影につかわれたのは、この広間。
時代劇コメディ映画は好きでほとんどみているのだけど、これは山形の宿場町に伝わる実話を元にした映画だ。ストーリーは置いておいて、特に重要なシーンでもなく、メインキャストの撮影場面でもなかったのだけれど、明治の文翔館〜大正の銀山温泉に江戸の立石寺と宿場町。結果、なんだか山形にタイムスリップしに行ったみたいな旅だった。
みちのく公園の南地区は、有料で500円ほどするのだけれど、綺麗に整備された国立公園でもあり、ここにある「ふるさと村」というエリアには東北六県から移設された民家が残されていて、馬屋が家と一緒になった雪深い東北の昔の暮らしが覗けるようになっていた。
そして、日本みたいじゃない場所もこのみちのく公園内にある。
後ろの山と桜が微かに日本を醸し出しているけれど、日本らしくない造園だ。
これが、先ほどのふるさと村と同じ敷地内にある。
このちぐはぐ感がたまらない。
ここまででお腹いっぱいになった旅は、この後仙台に戻って半日を仕事に当てて、仙台だからと牛タン屋を目指した途中で、鳥将軍に吸い込まれてせんべろで幕を閉じた。