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エッセイ:札幌・郷土愛「ストーリーがあれば、毎日はもっと色づく」

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6月になった。札幌では5月末に2019年のラーメンショーが開催されていて、大通公園のイベントが5月になると一気にざわつきだす。

 

5月・6月の札幌は、深呼吸をして背筋を伸ばして、凛とした笑顔が自然に表情に宿る街だと思う。

 

仕事柄(インテリアコーディネーターは職種で、業種としては札幌でゲストを受け入れする宿泊施設を運営している)、札幌の個性は何だろう?と地域特性について、よく考えるのだけれど、私が札幌らしさを感じる場所が中央区に幾つかある。

 

例えば、札幌市図書情報館がオープンして、しばらくになる。

 

中央区に住むようになって、自転車で数分で行けるし、平日の夜も9時までオープンしていたり、無料のコワーキングスペース的に利用出来るワークテーブルがあるので、札幌で一番好きな場所だったりもする。

 

もともと、図書館大好き人間なので、そんな贔屓はさておき、「ワーク」「ライフ」「アート」「旅」といった好きのテーマに特化した書籍が「いつ行っても、貸出じゃないので、いつでも読める」というコンセプトが素晴らしい。

 

インテリアの心地よさ、新しさも相まっているし、それぞれのテーマに沿って選書された本との出会いが、本屋さんよりも実際に「選ばれてそこにいる本」たちなわけで、センスが抜群にいい。

 

なぜか中央図書館と違って、高校生であふれ返ることもなく、また、カフェのように心地よくBGMが流れている。

 

札幌は、北海道の地方出身の単身女性が集まる街なので、(実際に男性は大学から関東や内地にいくが、女性は札幌を目指す統計がでていて、単身マンションやアパートにも圧倒的に女性の入居者が多い)、平日の夜の情報館は30代の独身女性ばかりだ。

 

休日にも、外の創成川をリーディング席から見下ろしながら、学習をしたり、お昼に散歩やランチややら気分をリフレッシュできる場所がすぐそこにあるし、ビジネスマンが週末に勉強していたり、「知的生活を楽しむ大人のホットスポット」である。

 

ここにいると、札幌は、「澄んだ知的生活が楽しめる綺麗な街」「文化的な暮らしが息づく街」だな~。とつくづく思う。

 

例えば、街が新しいおかげで、綺麗に造られた計画的公園が多いのが札幌という街のもう一つの特徴だ。

 

東京ではやったものが、札幌ではやり始めるには2年かかるといった時代遅れ感は、確実に流行になったものしかやってこないというフィルターになっている、というプラスの要素もあるし、

 

いわゆる生き急がなくていい、スローライフ的な街全体に漂う空気感は、オーストラリアのパースとか、カナダのどこぞの都市とか、アメリカでいったら、西海岸でもシアトルあたりとか、いわゆる「生活しやすい・暮らしやすい街」そのものだ。

 

そんな札幌に不足している要素としては、男女が一緒に楽しめるナイトライフだろうか。

 

それも、夏場はビアガーデンがあるし、少し前まではイベントが少ないかな、アートが少ないかな、と思っていたけれど、映画上映をするカフェや市民団体が活動していたり、情報館でビジネスアート講話が開催されたり、余裕のある生活を送る一人一人の市民が少しずつ札幌をさらに楽しい場所に変えてきている気がするのだ。

 

最後に情報館に話を戻すと、本棚に並ぶ選書には「貸出でないので、さらりと読めるもの」「ビジュアル重視なもの」「図書館とはことなり、背表紙ではなく、雑誌のように表表紙を見せる展示」をしてくれている。 

 

私にとって、自宅と同じか時にそれ以上に居心地のいい空間である。

 

札幌生まれで、ウィンタースポーツを楽しまないと冬は「本当に札幌に住み続ける意味」ってどうだろう?と考えたこともあるのだけれど、「今の仕事が好きだから」「この街に好きな人がいるから」とか以前に「心地よいから」「自分の好きにシンクロした街だから」だから、札幌に住むことを選択する。

 

そうやって、札幌にいたいと思う。